親権は父母のどちらにする?

(1) 親権とは?

親権をとっても簡単に説明すると、「子どもを育てていく権利」だと言えます。

両親が未成年の子どもの衣食住を確保して、社会に適応するよう教育する権利(身上監護権)と、子の財産を管理する権利(財産管理権)、が主な権利の内容となります。

なお、上で挙げた以外にも、次のような権利があります。

@子供の住む場所を指定する 

A子供が悪いことをしたときに必要な範囲内で、戒めたり、罰を与える

B子供が仕事をするときに仕事の判断をして許可を与える

親が子どもを育てるのは当たり前と考えられていますが、法律上は子どもを育てることが権利として定められているのです。


(2) 親権決定の際の注意点

親権は、本来は夫婦共同で行うことになっていますが、離婚の場合はどちらか一方を親権者と定める必要があります(民法818条)。

協議離婚では親権者が決まっていないと離婚届は受理されないので、父母のどちらが親権をもつかを必ず決めておかなくてはいけません(民法765条)。

離婚をされる際には、父と母どちらが親権をもつのが、子どもにとってベストであるかをしっかりと考えていただく必要があります。


(3) 親権の分割

どちらが子どもの親権をもつか、話し合いをしてもなかなか決まらない場合は、決まるまで協議離婚が成立しないということになります。

このような場合は、親権を2つに分割して、解決をするという方法があります。

親権は、上記でも簡単に触れましたが、次の2つに分けることができます。

身上監護権

一緒に生活をして、子どもも身の回りの世話をしたり、しつけや教育を行う親が持つ権利になります。

財産管理権

一緒には住みませんが、子どもの財産を管理したり、法的手続きを代理する権利を持つことになります。

例えば、母親が子どもをどうしても引き取りたいけれど、父親が親権を譲らないと言い張っているような場合、親権のうち「身上監護権」を母親に、「財産管理権」を父親に、持たせる形にします。

そう決めると、子どもの生活一般については母親が面倒を見ることができます。

しかしこのケースでは、子どもの氏を変えるときなどの法的手続きに関しては親権者である父親の承諾が必要になりますので、そのデメリットを勘案した上で決定するのが賢明です。

ちなみに、親権の効果を2つに分割した場合、離婚届に記載する欄はありませんので、離婚協議書にその旨を明記しておかなければなりません。